はぐくみ企業年金基金(はぐくみ基金)に加入していても、つみたてNISAには一切影響しません。
両者は制度の目的も税制の仕組みもまったく別であり、はぐくみによってつみたてNISAの非課税枠が減ったり、利用できなくなったりすることはありません。
したがって、はぐくみ基金を利用しながら、個人としてつみたてNISAで長期投資を続けることは可能です。
はぐくみ基金は、会社が退職金制度として導入する「確定給付型」の企業年金制度で、将来の退職金を会社が備えていく仕組みです。
一方でつみたてNISAは、個人の資産形成を目的とした「投資の非課税制度」であり、投資信託などで得られた利益が非課税になる制度です。
税の扱いも拠出の枠組みも別物のため、両制度は互いに干渉しません。
ただし、注意しておきたいポイントもあります。はぐくみ基金の掛金の原資を給与の一部から捻出する選択制の場合、社会保険料の対象となる報酬が下がることがあります。
この場合、毎月の手取りが増える一方で、将来の厚生年金額はわずかに下がる可能性があります。
つみたてNISAに影響するわけではありませんが、家計全体や将来の資産形成を考えるうえでは知っておくべき点です。
また、はぐくみ基金は「守りの制度」であり元本割れがない一方、利回りは低く、老後資産を大きく増やす制度ではありません。
その意味では、はぐくみ基金で退職金の土台を作りつつ、つみたてNISAで増やすという役割分担は理にかなっています。
さらに将来的に企業型確定拠出年金(企業型DC)を併用すれば、非課税の恩恵を最大化しながら、会社と個人の双方が資産形成の力を高めることも可能です。
結論として、はぐくみ基金はつみたてNISAの妨げにはならず、むしろ併用することで老後資産の安定性と成長性の両方を確保できます。
制度の特徴を知り、上手に組み合わせることがこれからの資産形成のカギになります。







