ドルコスト平均法とは、価格が変動する金融商品を一定の金額ずつ、定期的に購入していく投資方法です。
この仕組みを「りんごの買い物」にたとえると、とてもわかりやすくなります。
たとえば、あなたが「毎月1,000円分のりんごを買う」と決めたとします。
1個100円のときは10個買えますが、値上がりして1個200円になれば5個しか買えません。
逆に値下がりして1個50円のときは、20個買うことができます。
こうして「値段が高いときは少なく、安いときは多く」買うことになるわけです。
これがまさにドルコスト平均法の考え方です。
価格が高いときには少なく買い、安いときには多く買う。
その結果、購入価格が平均化され、1回で高値をつかむリスクが下がります。
つまり、買う時期を分散することで、価格の変動に一喜一憂せず、長期的に安定した成果を目指す方法なのです。
たとえば、毎月1,000円ずつ、5か月間りんごを買い続けたとしましょう。
りんごの価格が100円、80円、50円、120円、150円と変動した場合、1個ずつの価格は違っても、合計で見れば安い時期にたくさん買えています。
最終的に、平均購入単価は約90円ほどになり、もし後で価格が100円に戻れば利益が出ます。
このように、ドルコスト平均法は「平均単価を下げる」ことで利益を得やすくする仕組みです。
投資の世界では、株価や投資信託の基準価格は常に変動しています。
そのため、いつ買えば一番得かを完璧に予測するのは不可能です。
しかし、毎月決まった金額を積み立てていくドルコスト平均法なら、タイミングを気にせずに投資を続けられます。
少しずつ買い続けることで、安いときに多く、高いときに少なく買う仕組みが自然に働きます。
ただし、ドルコスト平均法は「価格が長期的に上昇していく商品」でこそ効果を発揮します。
ずっと下がり続ける資産に積み立てをしても意味がありません。
つまり、時間を味方につけながら「成長する資産にコツコツ投資する」ことが前提です。
りんごの例でいえば、値段が日々変わっても、毎月同じ金額で買い続ければ、結果的にお得にりんごを手に入れられることになります。
投資でも同じで、ドルコスト平均法は“焦らず、慌てず、コツコツと”続ける人ほど成果を出しやすい方法なのです。