投資信託で損する人の割合はどれくらいになるのでしょうか?

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投資信託はプロに運用を任せられ、少額から始められる点で人気の高い金融商品ですが、実際には「損をしている人の割合が多いのではないか」と不安を抱く方も少なくありません。実際のデータをみると、損益の状況は相場環境や保有期間によって大きく変動しており、一概に「○割が必ず損をしている」と断定するのは難しいのが実情です。

例えば金融庁の調査では、2020年3月の時点で投資信託を保有している顧客のうち、利益が出ていたのはおよそ3割にとどまり、約7割は含み損を抱えている状況でした。この数字だけを見れば「7割が損をしている」と言えますが、これはコロナショックによる市場急落の影響が大きく、短期的な結果にすぎません。

一方で、2021年3月末のデータでは、世界的な株価上昇やREIT市場の回復により、8割以上の顧客が利益を上げていたという報告もあります。つまり、同じ投資信託でも「いつ保有しているか」「どのくらいの期間持ち続けたか」によって結果は大きく変わるのです。

また、損をしている人が多い理由には、保有期間の短さが挙げられます。投資信託は本来、長期的な積立や複利効果を前提とした商品であり、数か月や数年単位で売却してしまうと、価格変動リスクを吸収できずに損失を抱えるケースが多くなります。さらに、購入時手数料や信託報酬などのコストも運用成果を圧迫し、結果として利益が出にくくなる要因になります。

総合的に見ると、「投資信託で損をしている人の割合」は相場環境や調査時点によって50%から70%程度に達することがあります。ただし、これは短期的なスナップショットであり、長期的に積み立てを続ける投資家に限れば、プラス収支に転じている割合は大幅に高まります。実際、ドルコスト平均法を活用して10年以上継続している投資家は、安定的に資産を増やしているケースが多く見られます。

結論として、投資信託で損をする人が一定数存在するのは事実ですが、その多くは短期保有や高コスト商品の選択に起因しています。長期・分散・低コストという基本原則を守れば、投資信託は資産形成に有効な手段となり得るのです。

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