ドルコスト平均法は、一定額を定期的に投資していくことで購入単価を平均化し、リスクを抑えながら資産を積み立てる投資手法です。では、実際にこの方法で投資を始めるにはどうすればよいのでしょうか。
まず必要なのは「投資先を決めること」です。ドルコスト平均法は仕組みの名前であり、特定の商品を指すものではありません。株式、投資信託、ETF(上場投資信託)、さらには確定拠出年金やiDeCoなど、継続的に積み立てが可能な商品であればどれでも活用できます。一般的には、少額から投資できて分散効果のある投資信託やインデックスファンドが選ばれることが多いです。
次に「積み立ての仕組みを設定すること」が重要です。証券会社や銀行、ネット証券などには、毎月一定額を自動的に口座から引き落とし、指定した商品を購入してくれる「積立投資サービス」が用意されています。例えば「毎月1万円を○○投信に投資」と設定すれば、相場が上がっても下がっても自動で購入され、ドルコスト平均法が実現されます。
また、勤務先で企業型確定拠出年金(企業型DC)や個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入している場合は、すでにドルコスト平均法が仕組みとして組み込まれています。毎月の掛金が自動的に積み立てられ、加入者自身が選んだ運用商品に振り分けられるため、手続きをした後は「放っておいても」積立投資が継続されます。老後資産形成を目的とした制度であるため、ドルコスト平均法と非常に相性が良いのです。
実践する際には「金額を無理のない範囲で設定する」ことも大切です。生活に支障をきたすような高額を積み立てると継続が難しくなります。少額でも長期的に続けることが効果を生み出すため、例えば月1万円からでも十分に意味があります。
さらに、商品選びにも注意が必要です。手数料の高い商品や、長期的に成長が期待できない商品を選ぶと効果が薄れてしまいます。インデックス型の投資信託やバランス型ファンドなど、低コストで分散効果のある商品を選ぶことが基本です。
まとめると、ドルコスト平均法を実践するには、①投資先を選ぶ、②積立金額と頻度を決める、③自動積立の仕組みを設定する、この3ステップが基本となります。証券会社の積立サービスやiDeCo・企業型DCを利用すれば、手間をかけずに仕組みを整えることができ、時間を味方につけた長期的な資産形成が可能になります。