ドルコスト平均法とは、金融商品の価格が変動することを前提に、一定額を定期的に継続して投資する方法のことを指します。株式や投資信託などは日々価格が変動しますが、そのときに一度に大きな額を投資すると、高値で買ってしまい損失が膨らむリスクがあります。
これに対して、毎月一定額を投資し続ければ、価格が高いときには少ない口数を、価格が安いときには多くの口数を購入することになります。その結果、購入単価が平準化され、長期的に見るとリスクを抑えながら資産を積み立てていけるのです。
例えば、毎月1万円ずつ投資信託を購入するケースを考えてみましょう。ある月の価格が1口1000円なら10口を購入できます。次の月に価格が500円に下がれば20口を購入でき、さらに翌月に2000円に上がれば5口しか買えません。このように価格変動に応じて購入口数が変わるため、長期的に平均購入単価がならされ、高値づかみのリスクを避けやすくなるのがドルコスト平均法の特徴です。
メリットは、①価格変動のリスクを平準化できること、②投資のタイミングを気にせず自動的に継続できること、③少額からでも長期的な資産形成が可能になることです。特に投資初心者にとっては「毎月決まった金額を積み立てるだけ」で投資が続けられるため、心理的な負担が少なく、計画的な資産形成に向いています。
一方で注意点もあります。ドルコスト平均法はあくまで「価格変動がある市場」に効果が発揮される仕組みであり、価格がずっと右肩上がりに上がり続ける局面では、一括投資の方がリターンは大きくなることがあります。また、損失を完全に避けられるわけではなく、長期的に価格が下落し続ける商品に投資した場合には元本割れのリスクが残ります。したがって、商品選びや資産配分の工夫と組み合わせて使うことが大切です。
確定拠出年金(企業型DCやiDeCo)では、このドルコスト平均法が自然に実現されています。毎月会社や個人が一定額を積み立てて投資する仕組みになっているため、市場の価格変動を味方にしながら長期的に資産形成を行うことができるのです。まさに「時間を味方にする投資法」といえるでしょう。
まとめると、ドルコスト平均法とは「一定額を定期的に投資して購入単価を平均化し、長期的にリスクを抑えて資産を増やす方法」です。特に老後資産形成のように数十年単位で取り組む目的には適しており、確定拠出年金制度と非常に相性の良い投資手法なのです。
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