中小企業退職金共済(中退共)の掛金は、事業主が従業員ごとに設定しますが、最低金額は 月額5,000円と定められています。これが通常の従業員に適用される基本的な最低水準であり、事業主は5,000円から30,000円までの範囲で掛金を設定できます。掛金は全額を会社が負担し、従業員が負担することはありません。
ただし、例外として「短時間労働者」に限り、より低い掛金を設定できる特例があります。この場合は月額2,000円・3,000円・4,000円といった少額掛金を選択できる仕組みになっています。
短時間労働者とは、週の所定労働時間が通常の正社員より短い従業員などを指しており、パートやアルバイトが対象となるケースが多いです。したがって、通常の正社員やフルタイムの従業員であれば最低5,000円、パートタイム労働者であれば2,000円から加入できるという点が中退共の特徴です。
この最低掛金額は、退職金をできるだけ多く準備したい場合には物足りない水準かもしれませんが、中小企業にとっては負担を抑えながら制度を導入できるという意味で大きなメリットがあります。さらに、事業主は経営状況や従業員の勤続年数に応じて掛金を増額したり、必要に応じて減額したりすることも可能です。
結論として、中退共の掛金の最低金額は 通常の従業員は月額5,000円、特例として短時間労働者であれば 月額2,000円から となります。会社の状況や従業員の働き方に応じて柔軟に選択できる点が、この制度の使いやすさにつながっています。