「お金に働いてもらう」とは、自分の時間や労力を使わずに、お金自体が利益を生み出す状態をつくることを指します。
もう少しわかりやすく言えば、「自分が働かなくても、お金が自分の代わりに稼いでくれる」仕組みを持つということです。
私たちはふつう、働いた時間に対して給与をもらいます。
これは「自分が働いてお金を得る」状態です。
しかし、投資や資産運用を行うと、お金が株式や債券、不動産、投資信託といった“働く場所”で増えていきます。
これが「お金が働く」状態です。
たとえば、銀行に預けたお金に利息がつくのも、お金が働いている一例です。
預けた本人は何もしなくても、時間がたつほどにお金が増えます。
また、株式や投資信託で運用している場合、企業の成長や配当によって資産が増えることもあります。
自分の努力ではなく、資本の力によって収入が生まれるのです。
この考え方の背景には、「お金=道具」という考え方があります。
お金を貯めておくだけでは価値は増えませんが、運用すれば“働いてくれる資産”に変わります。
逆に、ただ貯金するだけでは、インフレによって価値が目減りするリスクもあります。
だからこそ、今の時代は「貯める」より「増やす」、つまり“お金を働かせる力”が求められています。
そして、この「お金に働いてもらう」という発想を制度化したのが、企業型確定拠出年金(企業型DC)です。
企業が毎月掛金を拠出し、従業員がそのお金を運用します。
運用益は非課税で再投資され、“複利”という力でお金がお金を生むサイクルが働き続けます。
20年、30年という時間をかけて、お金が自動的に成長していく仕組みです。
つまり、「お金に働いてもらう」とは、時間を味方につけ、自分が働かなくても資産が育つ仕組みを持つこと。
働いて得たお金をただ消費するのではなく、未来の自分のために“働かせる”ことこそが、真の資産形成なのです。