iDeCoと個人年金ではどちらの方がお得になるのでしょうか?

個人年金とiDeCo、どちらが得かという質問には、目的と税制優遇の仕組みを理解することが欠かせません。結論から言えば、節税を最大化して老後資金を効率よく増やしたい人にはiDeCoが圧倒的に有利です。ただし、自由度や途中解約のしやすさを重視するなら個人年金にも利点があります。

まず、iDeCo(個人型確定拠出年金)は、国が用意した「節税しながら老後資金をつくる制度」です。掛金の全額が所得控除になるため、年収500万円の人が月2万円拠出すれば、年間で約3〜4万円の税金が戻ってきます。

さらに、運用で得た利益も非課税。受け取るときも「退職所得控除」や「公的年金等控除」が適用され、三重の税制優遇を受けられます。つまり、税金面での優遇は民間のどんな保険よりも強いのです。

一方、個人年金保険は民間の保険会社が販売する商品で、毎月一定の保険料を積み立てて、将来年金として受け取る仕組みです。保険料控除は年間最大4万円(所得税)+2万8千円(住民税)と、iDeCoに比べると控除額はごく小さくなります。

運用益にも課税されるため、節税効果や増え方という点ではiDeCoに劣ります。ただし、60歳前でも解約可能で、商品によっては死亡保障や返戻金があるなど、「保険」としての安心感が特徴です。

運用の自由度も大きな違いです。iDeCoは自分で投資商品(投資信託・定期預金など)を選べるのに対し、個人年金は利率が固定されており、長期間ほぼ動かせません。現在の低金利環境では、個人年金の運用利回りは年0.3〜0.7%程度にとどまることが多く、インフレに負けるリスクもあります。その点、iDeCoは投資信託を選べば長期的に年3〜5%のリターンを目指すことも可能です。

まとめると、

  • 確実性と途中解約のしやすさを重視する人 → 個人年金
  • 節税効果と資産の増やしやすさを重視する人 → iDeCo

そして、もしあなたが会社経営者や役員なら、さらに有利なのが企業型確定拠出年金(DC)です。iDeCoよりも掛金上限が高く、会社の経費で拠出できるうえ、役員自身の退職金として積み立てられるというメリットがあります。社員にも導入すれば福利厚生の強化にもつながります。社長の財布から老後資金を育てるなら、個人年金でもiDeCoでもなく、企業型DCが最もお得です。

>>iDeCoと企業型DCの違いは何?初心者でもわかる分かりやすい解説

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