ドルコスト平均法はほったらかしにしても大丈夫ですか?

Q&A Q&A

ドルコスト平均法は、一定額を定期的に投資し続けることで購入単価を平均化し、価格変動リスクを抑える投資手法です。この仕組みの特徴から「毎月自動的に積み立てるだけでよい=ほったらかしでいい」と表現されることも多くあります。

確かに、一度設定してしまえば毎月決まった額が自動的に投資されるため、相場を見て売買のタイミングを判断する必要はありません。その意味では、他の投資手法に比べて手間が少なく、感情に左右されにくい「ほったらかし投資」といえるでしょう。

しかし、完全に何もしなくてよいという意味での「ほったらかし」ではありません。なぜなら、ドルコスト平均法はあくまで「投資タイミングを分散する仕組み」にすぎず、投資対象の商品そのものの成長性やリスクに依存しているからです。

もし長期的に成長が見込めない商品を選んでしまえば、積み立てを続けても資産は増えず、むしろ損失が拡大するリスクもあります。したがって、投資対象の見直しや資産配分の調整は定期的に行う必要があります。

また、ライフステージの変化に応じた調整も重要です。例えば30代や40代ではリスクをある程度取って株式や成長資産を中心に積み立ててもよいですが、50代や60代に近づくにつれて、受け取り時の資産価値を守るために債券や安定的な資産の比率を高めることが推奨されます。つまり、積立期間中は「ほったらかし」にできても、長期運用の過程では定期的な点検が不可欠なのです。

さらに、経済状況や制度の変化も考慮する必要があります。確定拠出年金(DC)やiDeCoといった制度では、投資教育や運用商品のラインナップが見直されることもあり、従業員や加入者はその都度、自分に合った資産配分を確認することが求められます。

まとめると、ドルコスト平均法は「日々の相場に一喜一憂せず、機械的に積み立てられる」という点でほったらかし投資に近い手法ですが、「投資先の選定」と「ライフステージに応じた調整」を怠ってはならないという点で、完全に放置してよいものではありません。

むしろ、最小限の見直しを加えながら長期的に続けることで、リスクを抑えつつ資産を増やす仕組みとして真価を発揮します。

>>分散・積立・長期投資が資産形成の王道!初心者でも安心して続けられる理由とは

タイトルとURLをコピーしました